青、紫、赤紫、萌黄、白・・・
七変化という異名を持つアジサイ。
梅雨の季節には、全国でアジサイが開花して
私たちを楽しませてくれています。
土で変わるアジサイの色
そんなアジサイの色のもととなっているのが
「アントシアニン」という色素。
ブルーベリーやラズベリーといった果実やナス、小豆といった野菜や穀物などにも含まれる色素です。
このアントシアニン、土壌に含まれるアルミニウムが水に溶け出してアジサイが吸い上げ、反応すると青い色になります。
酸性土壌だとアルミニウムが溶け出しやすいので、アントシアニンと反応して青いアジサイに。
アルカリ性土壌だとアルミニウムが溶け出しにくいので、アントシアニンの元々の色に近い赤っぽいピンクのアジサイに。
つまり、土壌のphが関係しているんですね。
「酸性」=青
「中性」=紫
「アルカリ性」=赤
リトマス試験紙の反応とは逆、と覚えておくとよいでしょう。
白いアジサイの色は変わるの?
最近よく見る白いアジサイは?
もともとアントシアニンをもたないアジサイなので、土を変えても、変化しません。
アジサイの白は、何色にも染まる白じゃなくて、
何色にも染まらない白、なんですね。
時期によって変わるアジサイの色
時期によっても、アジサイは色が変わります。
「ガクアジサイ」というだけに、実は花びらのように見えている部分は、花を支える「ガク」の部分。
だから咲き始めは、葉緑素のために、薄緑色に見えているのが、段々とアントシアニンの色素が増えてきて赤や青になり、咲き終わりの頃には、アジサイの中の他の物質とアントシアニンが結合することによってくすんで見える、と同じアジサイでも色が変化していきます。
同じ株でも、場所によって色が変わることもあるそうです。
だから、「七変化」なんですね。
でも、うちのピンクのアジサイ、青くしたいから、アルカリ性の水をあげればいいのねって咲いているピンクのアジサイを変えようとすると、濁ってくすんだ紫になってしまうそうなので、ご注意を。
綺麗な青いアジサイを咲かせるための活力剤というものもあるそうですよ。
ちなみに、ピンクのアジサイにしたい時はおうちにある素材でもOK。
卵の殻を細かく砕き、それを根本に撒くだけで、アジサイの色をピンク系に変えられます。
これは、卵の殻に含まれる弱アルカリ性の炭酸カルシウムの働きによるもの。
長年楽しんだ青いアジサイが、ピンクになっちゃった!という場合は
老化でアルミニウムを根から吸収できなくなったアジサイという場合もあるので、そのままピンクのアジサイを楽しむのもいいかもしれませんね。
品種改良によって、最初から色が決まってるアジサイもあるようですので
お好きなものを選ばれるとよいですね。
秋色アジサイ
最近人気の秋色アジサイは、もともとは品種ではなくて、通常のアジサイの開花時期(初夏)に咲いたアジサイが、時間をかけて色変化して、アンティークカラーになったものだったそうです。
今では、品種改良で最初から綺麗なアンティークカラーになるよう育てられたアジサイも。
アンニュイなイメージが素敵ですよね。
アジサイは日本生まれ
アジサイも今は、色だけじゃなくて形も様々なものがありますね。
そんなアジサイ、日本生まれってご存知でしたか?
日本原産のガクアジサイが中国に伝わり、18世紀にヨーロッパに持ち込まれたとのこと。
品種改良によって姿を変えながら広がっていったのですね。
火山列島の日本では、酸性土壌の土地が多いために
青いアジサイが多く咲いていたといわれています。
アルカリ土壌が多いヨーロッパでは、ピンクのアジサイが多くみられるそうです。
最初に持ち込んだ人は、色が変わって驚いたかもしれませんね。
アジサイは食べちゃダメ!!
でもそんな人気者のアジサイ。
「アントシアニン」って、抗酸化物質で、体にいいのよね~って
うっかり食べたり飲んだりしないでくださいね。
アジサイの葉を食べて中毒症状を起こした例もありますので
アジサイは、観て楽しむだけにいたしましょう。
お腹を壊してブルーな気分になりませんように。
アジサイは雨の日の楽しみの一つ
雨にぬれたアジサイは、一段と美しいように感じます。
青~紫~赤紫のグラデーションに咲くアジサイ。
曇りや雨の日は、太陽の光が青みがかっているから
その美しさが引き立ちます。
やさしいイメージの写真を撮るのも、コントラストが強くならない雨や曇りの日がおすすめだそうですよ。
色彩心理的にも、自分の内面を見つめたくなる色合いのアジサイ。
お部屋に飾って、眺めながらゆっくり自分と向き合う時間を楽しむのもよいかもしれませんね。
あなたは、どの色のアジサイがお好きですか?
色には、深層心理が現れるもの。
気になる色に、どんな気持ちが隠れているのか
知りたいな、と思ったら
アートセラピストとお話してみませんか。